CITE DE LA VESPA “Fourchambault”。

2018年、フランス旅行の目的の一つ、フランス・ベスパの町を訪れました。

パリから南へ約250㎞、ロアール川沿いにフルシャンボーという小さな町があります。
この町はイタリア・ポンテデーラという町と友好関係になっています。
なぜこの町がイタリア・ポンテデーラと友好関係になっているかというとこの町でもかつてベスパが生産されていたという経緯があるためです。


*昔も今も変わらぬ風景を確認できました。2018.08.23.

フランスで生産されていたベスパと言われても馴染みのない方もいると思います。
それでも、パリを訪れるととても多くのベスパを目にすると思います。それはフランス人にとってベスパはとても近い存在なのかもしれません。

ベスパシリーズの中で個性的なモデル、大砲を積んだ軍用ベスパ”TAP”、ベスパの自動車”Vespa400″なら写真等で見たことがある方もいると思います。
A.C.M.A. (Ateliers de construction de motocycles et d’automobiles)、通称アクマは1950-1962の間この地でPiaggioのライセンス生産を行い、多くの工員とその家族がこの町に集まり教育施設も建設され発展したそうです。


*イタリア・ポンテデーラ、Museo Piaggioに展示されている軍用ベスパ”TAP”と”Vespa400”。2015.08.25.


*2001年に出版された”LA VESPA IN FRANCIA”はメモリアル本として立派な作りです。 2018.03.01.

ACMAの廃業後も、工場の建物及び敷地はそのまま別の会社が転用し、戦前からある建物(増築前の一部)は今もなおそのままの形で見ることが出来ます。

とはいえ、地元フランスでベスパに乗っている方でも、フランスでベスパを作っていた過去や、工場がどこにあったのか知らない方も多いと思います。
しかし、2001年はEURO VESPA(現在のVespa World Days)というベスパクラブのイベントがフルシャンボーで開催され、ベスパファンの間でも再認識されたようです。
2001年はイタリアから“LA VESPA IN FRANCIA”と題して本が出版されました。この本は、地元のクラブはや当時の関係者はもちろんのこと、フルシャンボー、ポンテデーラ、Piaggioも製作・協力しているだけあり、当時の様子がとてもよく伝わってくる一冊です。建物に関する写真も多く掲載されているため、もし訪れてみようと思っている方がいたら予習に入手してみても良いかもしれません。


*当時フランスで生産されていたベスパのセンターエンブレムには、A.C.M.A PARIS の文字が刻まれていました。2018.08.20.


*ロンポワン・ベスパ及び記念碑は敷地内南側(元center social側)で発見することが出来ます。2018.08.23.


*ロンポワン・ベスパ及び記念碑は敷地内南側(元center social側)で発見することが出来ます。2018.08.23.


*フルシャンボーの工場跡はポンテデーラと同じように駅近くにあるため、電車で訪れることも可能です。2018.08.23.


*フルシャンボー駅、脇にかかる線路を渡るための歩道橋の橋脚にはベスパにゆかりのある土地を思わせるイラストが描かれていました(落書きが残念ですが、、、)2018.08.23.


*フルシャンボー駅、脇にかかる線路を渡るための歩道橋の橋脚にはベスパにゆかりのある土地を思わせるイラスト(こちらはVespa400)が描かれていました(落書きが残念ですが、、、)2018.08.23.


*かつてACMAの看板が付いていた受付建物ですが、当時は駐車場だった様子。現在も関係者の駐車スペースになっている様子でした。2018.08.23.


*敷地内へ資材等の運搬に利用していた軌道がところどころ(表にも)残っているのが伺えました。2018.08.23.


*かつてこの空間にはPiste d’essais(テストトラック)がありました。2018.08.23.


*表通りに面した大きな三角屋根の建物付近ではmécanique pièces moteur(エンジン部品)を作り、その奥でagasin montage (組み立て)がされていたようです。通り、写真奥の三角屋根が多く並んでいる建物には各部生産に入る前の材料が保管されていたと思われます。2018.08.23.

機会があればツーリングの目的地や旅行のプランにこのフルシャンボーという町を組み入れてみても面白いかもしれません^^。
インターネットで検索をしたり、本や当時のBrochure等を入手したりしながら事前予習が少しでもあると、現地でブラブラ当時の様子を想像しながらいろいろな痕跡を発見することが出来ます。

また、せっかくフランスまで来たから軍用ベスパ”TAP”が見てみたい!という方は、地元クラブ関係者にコンタクトを取らなくても、フルシャンボーから西に約290㎞の所にはソミュール市 (Saumur)があり、市内のMusée des Blindés(通称ソミュール戦車博物館)で見ることが出来ます。

ベスパを通じて町間・国境を越えての交流、地元ファンや住民の人々によって大事にされている町、Fourchambaultの様子でした。